カレントディレクトリをスタックに記憶してから別のディレクトリへ変更(PUSHD, POPD)

PUSHD コマンドを使用するおtカレントディレクトリをスタックに記憶してから別のディレクトリへ変更することができます。また POPD コマンドを使用するとスタックに記憶したディレクトリを取り出してカレントディレクトリを変更することができます。ここではコマンドプロンプトにおける PUSHD コマンドおよび POPD コマンドの使い方について解説します。

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PUSHDコマンドとPOPDコマンドの使い方

PUSHD コマンドを実行すると現在のディレクトリをスタックに記憶した上でカレントディレクトリを変更することができます。書式は次の通りです。

PUSHD [パス | ..]

PUSHD コマンドの引数として変更したいパスを指定します。パスは相対パスでも絶対パスでも指定できます。

スタックには複数のディレクトリを記憶させることができます。引数なしで PUSHD コマンドを実行するとスタックに記憶されてるディレクトリの一覧を表示します。

PUSHD

POPD コマンドを実行するとスタックに記憶されているディレクトリを取り出しカレントディレクトリを変更することができます。書式は次の通りです。

POPD

POPD コマンドを実行してスタックからディレクトリを取り出すと、スタックに記憶されていたディレクトリは削除されます。

PUSHD コマンドを使って別のディレクトリに移動したあと、POPD コマンドを使って元のディレクトリへ戻るといった使い方となります。

現在のディレクトリを記憶して別のディレクトリへ移動する

例えばカレントディレクトリが c:\test の時にカレントディレクトリをスタックに記憶しつつ c:\test\back ディレクトリへ変更するには次のように実行します。

pushd back

現在のディレクトリを記憶して別のディレクトリへ移動する(1)

カレントディレクトリが新しいディレクトリへ変更しつつ、元のディレクトリはスタックに記憶されました。

記憶しているディレクトリへカレントディレクトリを変更する

スタックに記憶しているディレクトリへカレントディレクトリを変更するには次のように実行します。

popd

現在のディレクトリを記憶して別のディレクトリへ移動する(2)

スタックに記憶されていた変更前のディレクトリにカレントディレクトリが変更されました。

PUSHD コマンドと POPD コマンドはこのように組み合わせて使用し、現在のディレクトリから一時的に別のディレクトリへ移動して作業したあとに元のディレクトリに戻りたい場合に使用します。

複数のディレクトリをスタックに記憶する

PUSHD コマンドを複数回実行すると、実行した時点でのカレントディレクトリを順にスタックに記憶していきます。例えばカレントディレクトリが c:\test の時にカレントディレクトリをスタックに記憶しつつ c:\test\back ディレクトリへ変更するには次のように実行します。

pushd back

複数のディレクトリをスタックに記憶する(1)

現在スタックに記憶されているディレクトリを確認するには PUSHD コマンドを引数なしで次のように実行します。

pushd

複数のディレクトリをスタックに記憶する(2)

現在1つのディレクトリがスタックに記憶されていました。

ここで再度 PUSHD コマンドを実行し、カレントディレクトリをスタックに記憶しつつ c:\test\back\2023 ディレクトリへ変更してみます。

pushd 2023

複数のディレクトリをスタックに記憶する(3)

再度スタックに記憶されているディレクトリを確認します。

pushd

複数のディレクトリをスタックに記憶する(4)

現在 2 つのディレクトリがスタックに記憶されていました。

それでは POPD コマンドを使ってスタックからディレクトリを取り出しカレントディレクトリを変更します。スタックに複数のディレクトリが記憶されている場合は、一番新しく記憶されたものから順に取り出します。

popd

複数のディレクトリをスタックに記憶する(5)

スタックに記憶されていた一番新しいディレクトリへカレントディレクトリが変更されました。

再度スタックに記憶されているディレクトリを確認します。

pushd

複数のディレクトリをスタックに記憶する(6)

POPD コマンドによって取り出されたディレクトリは削除されるため、現在スタックに記憶されているディレクトリは 1 つになりました。

もう一度 POPD コマンドを使ってスタックからディレクトリを取り出しカレントディレクトリを変更します。

popd

複数のディレクトリをスタックに記憶する(7)

一番最初のディレクトリに戻ることができました。

このように PUSHD コマンドを続けて実行することで、複数のディレクトリをスタックに記憶させることができます。POPD コマンドを実行すると新しくスタックに追加されたディレクトリ情報から順に取り出し、一度取り出したディレクトリは自動で削除されます。

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PUSHD コマンドと POPD コマンドを使ってカレントディレクトリを記憶してからディレクトリを移動したり、記憶したディレクトリを取り出してディレクトリを移動する方法について解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

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著者 / TATSUO IKURA

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