配列定数の利用方法

Excel における配列定数とは、表のような構造のデータをテキストを使って表現するものです。 VLOOKUP 関数などではまず Excel にデータを入力した上で、引数にセル範囲を使って対象のデータを指定しますが、配列定数を使用することで実際に Excel でデータが入力されていなくても対象のデータを指定することができます。ここでは Excel における配列定数の使い方について解説します。

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配列定数を定義する

配列定数は、表のような構造のデータをテキストを使って表現するものです。例えば次のような表形式のデータを配列定数を使って表現する場合で考えてみます。

山田太郎東京都27
鈴木花子大阪府19

このような表形式のデータは配列定数を使って次のように定義することができます。

{"山田太郎","東京都",27;"鈴木花子","大阪府",19}

配列定数では行の区切りとしてカンマ(,)を使用し、列の区切りとしてセミコロン(;)を使用します。最後に配列定数全体を "{" から "}" で囲います。

配列定数の中で文字列を記述する場合はダブルコーテーション(")で囲って記述してください。

定義した配列定数は、関数の引数に直接記述することができます。

配列定数を関数の引数に指定する

それでは例として VLOOKUP 関数の引数として配列定数を指定してみます。まず最初に配列定数を使用しないで VLOOKUP 関数を使用してみます。 Excel に次のようにデータを入力しました。

配列定数を定義する(1)

C7 セルに次のように VLOOKUP 関数を入力します。

=VLOOKUP(B7,B2:C4,2,FALSE)

配列定数を定義する(2)

簡単に VLOOKUP 関数の説明を行うと、 1 番目の引数に指定したセルに入力した値を、 2 番目の引数に指定したセル範囲の 最初の列のデータと一致するかどうか上から下へ向かって検索し、見つかった場合は同じ行にある 2 番目の列の値を返します。

例えば B7 セルに "A-02" と入力すると、 VLOOKUP 関数を入力した C7 セルには "消しゴム" と表示されます。

配列定数を定義する(3)

次に配列定数を使って書き直してみます。 Excel では次のような結果を表示する枠だけを用意します。

配列定数を定義する(4)

C2 セルに次のように VLOOKUP 関数を入力します。このとき 2 番目の引数にセル範囲ではなく配列定数を指定します。

=VLOOKUP(B2,{"A-01","鉛筆";"A-02","消しゴム";"A-03","筆箱"},2,FALSE)

配列定数を定義する(5)

それでは B2 セルに "A-02" と入力してください。 VLOOKUP 関数を入力した C2 セルには "消しゴム" と表示されます。

配列定数を定義する(6)

また B2 セルに "A-03" と入力すると C2 セルには "筆箱" と表示されます。

配列定数を定義する(7)

このように配列定数を利用することで元になるデータを Excel に入力しなくても、直接関数の引数に表形式のデータを指定することができます。

※ VLOOKUP 関数の詳しい使い方については「VLOOKUP関数:指定の列を縦方向に検索し同じ行にある値を取得する」を参照されてください。

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Excel における配列定数の使い方について解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

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著者 / TATSUO IKURA

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