コントロールの枠線を設定する(BorderStyle,BorderColorプロパティ)
ユーザーフォームに設置したコントロールによっては枠線を設定できるものがあります。枠線の表示の有無については BorderStyle プロパティ、枠線の色については BorderColor プロパティを使用します。ここでは Excel のユーザーフォームで BorderStyle プロパティおよび BorderColor プロパティを使ってコントロールの枠線を設定する方法について解説します。
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目次
コントロールの枠線の表示を設定する
コントロールに枠線を表示するかどうかを設定するには BorderStyle
プロパティを使用します。例えばラベルの BorderStyle
プロパティの値はデフォルトで「0 - fmBorderStyleNone」という値が設定されています。この値の場合は枠線が表示されません。
枠線を表示するには BorderStyle
プロパティの値のところに表示されているドロップダウンメニューをクリックし、「1 - fmBorderStyleSingle」を選択してください。
ラベルの枠線が表示されました。
このように BorderStyle
プロパティの値を変更することで、コントロールの枠線を表示するように設定することができます。
コントロールの境界線の表示については SpecialEffect
プロパティと BorderStyle
プロパティの値はどちらかのみ設定することができます。どちらか一方のプロパティに 0 以外の値を指定すると、もう一方のプロパティの値が 0 に設定されます。 SpecialEffect
プロパティの使い方については「コントロールの境界部分を立体的に表示する(SpecialEffectプロパティ)」を参照されてください。
コントロールの枠線の色を設定する
コントロールの背景色を設定するには BorderColor
プロパティを使用します。例えばラベルの BorderColor
プロパティの値はデフォルトで「&H80000006&」という値が設定されています。
この色の値は色コードなどではなく Windows のシステムカラーを表しています。システムカラーというのは簡単に言うと Windows でここにはこの色を使用すると定義されている色の一覧のことです。システムカラーの組み合わせは設定によってく変わるため、固定の色が対応しているわけではない点にご注意ください。
ユーザーフォームのプロパティで値を設定する場合はこの Windows のシステムカラーを表す値を指定するか、青緑赤の値を使って特定の色を指定します。詳しくは「プロパティで色を指定する方法」を参照されてください。
それではラベルの枠線の色を変更してみます。ラベルをクリックして選択したあと、プロパティウィンドウの BorderColor
の項目をクリックしてください。そして値のところに表示されたドロップダウンメニューをクリックしてください。
色を選択する画面が表示されます。最初は「システム」タブが選択されており、システムカラーから色を選択できます。
現在は「ウィンドウ枠」が選択されています。新しい色として「強調表示」をクリックしてみます。
ラベルの枠線の色がシステムカラーの「強調表示」に設定されている色に変更されました。
また色を選択する画面で「パレット」タブをクリックしてください。
カラーパレットが表示されるので設定したい新しい色をクリックしてください。
ラベルの枠線の色がカラーパレットでクリックした色に変更されました。パレットで色を指定した場合は、 Windows のシステムカラーではなく青緑赤の値を使って特定の色を指定します。
このように BorderColor
プロパティの値を変更することで、コントロールの枠線の色を変更することができます。
VBAのプログラムの中でBorderStyleプロパティを設定する
プロパティウィンドウを使って BorderStyle
プロパティの値を変更する代わりに、 VBA のコードを記述して BorderStyle
プロパティの値を変更することもできます。
プログラムの中で BorderStyle
プロパティを設定する場合は次の書式を使用します。
オブジェクト.BorderStyle [= fmBorderStyle ]
対象のオブジェクトの BorderStyle
プロパティに対して枠線の状態を表す値を代入します。代入可能な値は次の通りです。
定数 | 値 | 説明 |
---|---|---|
fmBorderStyleNone | 0 | 境界線は表示されません。 |
fmBorderStyleSingle | 1 | 境界線は表示されます。 |
境界線を非表示にされたい場合は、値として fmBorderStyleNone
を設定してください。また境界線を表示に設定したい場合は、値として fmBorderStyleSingle
を設定してください。
簡単なサンプルで試してみます。ユーザーフォームが表示される前に発生する Initialize
イベントに対するイベントプロシージャを作成し、その中で BorderStyle
プロパティの値を設定します。ユーザーフォームが表示される前にコントロールのプロパティの設定が行われます。
※ Initialize
イベントに対するイベントプロシージャの使い方については「ユーザーフォームを表示する直前に発生するイベント(Initializeイベント)」を参照されてください。
ユーザーフォームのコントロールが何もないところをダブルクリックしてください。
ユーザーフォームの規定のイベントである Click
イベントに対するイベントプロシージャが表示されます。
今回はユーザーフォームの Initialize
イベントに対するイベントプロシージャを使用するので、コードウィンドウで次のようにイベントプロシージャを追加で記述してください。
Private Sub UserForm_Initialize() Label1.BorderStyle = fmBorderStyleNone Label2.BorderStyle = fmBorderStyleSingle End Sub
これでコードの記述は完了です。では実際に試してみます。「Sub/ユーザーフォームの実行」をクリックしてください。
ユーザーフォームが表示されました。追加されているラベル中で上のラベルは枠線が非表示になり、下のラベルは枠線が表示されるようになっていることが確認できます。
このように VBA のプログラムの中で BorderStyle
プロパティの値を変更することができました。
VBAのプログラムの中でBorderColorプロパティを設定する
プロパティウィンドウを使って BorderColor
プロパティの値を変更する代わりに、 VBA のコードを記述して BorderColor
プロパティの値を変更することもできます。
プログラムの中で BorderColor
プロパティを設定する場合は次の書式を使用します。
オブジェクト.BorderColor [= Long ]
対象のオブジェクトの BorderColor
プロパティに対して長整数型の値を代入します。値は Windows のシステムカラーを表す値や定数、または青緑赤の値を使った色を表す値を代入します。
BorderColor
プロパティが意味を持つのは枠線が表示されるように設定されている場合だけです。
簡単なサンプルで試してみます。ユーザーフォームが表示される前に発生する Initialize
イベントに対するイベントプロシージャを作成し、その中で BorderColor
プロパティの値を設定します。ユーザーフォームが表示される前にコントロールのプロパティの設定が行われます。
※ Initialize
イベントに対するイベントプロシージャの使い方については「ユーザーフォームを表示する直前に発生するイベント(Initializeイベント)」を参照されてください。
ユーザーフォームのコントロールが何もないところをダブルクリックしてください。
ユーザーフォームの規定のイベントである Click
イベントに対するイベントプロシージャが表示されます。
今回はユーザーフォームの Initialize
イベントに対するイベントプロシージャを使用するので、コードウィンドウで次のようにイベントプロシージャを追加で記述してください。
Private Sub UserForm_Initialize() Label1.BorderStyle = fmBorderStyleNone Label1.BorderColor = RGB(255, 0, 0) Label2.BorderStyle = fmBorderStyleSingle Label2.BorderColor = RGB(255, 0, 0) End Sub
どちらのラベルにも RGB
関数を使って色を指定しています( RGB 関数の使い方については「RGB関数:色を表す数値を取得する」を参照されてください)。ただ上のラベルは BorderStyle
プロパティを使って枠線を非表示にしているのに対して、下のラベルは枠線を表示しています。
これでコードの記述は完了です。では実際に試してみます。「Sub/ユーザーフォームの実行」をクリックしてください。
ユーザーフォームが表示されました。追加されている 2 つのラベルにそれぞれ枠線の色を設定していますが、枠線が非表示になっている上のラベルには枠線の色を設定しても枠線は表示されず、枠線が表示されている下のラベルだけ枠線の色が変更されていることが確認できます。
このように VBA のプログラムの中で BorderColor
プロパティの値を変更することができました。
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Excel のユーザーフォームで BorderStyle プロパティおよび BorderColor プロパティを使ってコントロールの枠線を設定する方法について解説しました。
( Written by Tatsuo Ikura )
著者 / TATSUO IKURA
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