HTMLとCSSの仕様はどこで公開されているか

Web ページを作成する場合、 HTML や CSS と呼ばれる言語を使用して文書の構造や見た目を記述することになります。 HTML は現在 WHATWG という団体によって仕様が策定されており、その仕様は WHATWG の公式サイトで公開されています。 CSS は現在 W3C によって仕様が策定されています。ウェブページを作成する際には、仕様に沿って記述することが推奨されます。この記事では HTML および CSS の仕様がどこで公開されているかについて解説します。

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HTMLの仕様について

現在 HTML の仕様は WHATWG で策定されています。 WHATWG は Web Hypertext Application Technology Working Group の略で、ウェブ技術の標準化を目的として 2004 年に設立された非公式の標準化団体です。

WHATWG の主要なメンバーはブラウザを開発している企業であり、 Google、 Apple、 Mozilla、 Microsoft などです。

WHATWG Official Website

HTMLの仕様について(1)

HTML の仕様について、2004 年以前は W3C (World Wide Web Consortium) がウェブ技術の標準化を主導していました。W3C では、HTML の進化よりも XML を基盤とした XHTML に重点を置いていましたが、多くのウェブ開発者やブラウザベンダーは XHTML に対して懐疑的で、これからは HTML の進化が必要だと考えました。そこで 2004 年に Apple、Mozilla、Opera の技術者たちが中心となり WHATWG が設立され、HTML の仕様策定が行われるようになりました。

一時期は WHATWG の策定した HTML 仕様を取り込み、W3C が仕様を勧告することが行われていました。ただ、WHATWG では W3C が行っていたような一定のタイミングで「バージョン」として仕様をリリースする形式ではなく、Living Standard と呼ばれる継続的に仕様を更新する方式を採用しており、その結果、WHATWG と W3C で HTML の仕様に食い違いが発生するようになりました。そこで 2019 年、HTML の仕様は WHATWG が主導して公開する形となりました。

現在は HTML の仕様は HTML Living Standard として下記で公開されています。

HTML Living Standard

HTMLの仕様について(2)

CSSの仕様について

CSS の仕様は W3C (World Wide Web Consortium) の CSS Working Group によって策定されています。この作業グループは、ウェブ標準を推進するための国際的な団体である W3C の一部であり、 CSS の設計、開発、および進化を担当しています。

CSS は CSS2 以降からモジュール化された仕様になっています。モジュール化とは CSS の仕様を機能ごとに分割して個別に策定・更新する方法です。これにより、特定の機能が独立して開発され、進化できるようになりました。

CSS には例えば次のようなモジュールがあります。

モジュールごとに策定プロセスが異なる場合がありますが、完成したモジュールがブラウザに順次実装されることで、開発者は新しい機能を利用できるようになります。

現在は CSS の仕様は下記で公開されています。

Cascading Style Sheets

CSSの仕様について(1)

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HTML および CSS の仕様がどこで公開されているかについて解説しました。

( Written by Tatsuo Ikura )

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著者 / TATSUO IKURA

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