文字コードに関する設定を記述する
MariaDB を利用する上で文字コードの設定はクライアント側で使用する文字コードの設定とサーバ側でデータベースを作成した時のデフォルトの文字コードの設定を行う必要があります。ここでは MariaDB の設定ファイルに対してサーバ側およびクライアント側で文字コードに関する設定を記述する方法について解説します。
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設定ファイルを使った文字コードの設定方法
MariaDB のサーバ側に関係する文字コードとクライアント側に関係する文字コードについては設定ファイルである my.ini ファイルで設定します。サーバ側については [mariadbd] グループで character-set-server に対して値を設定します。クライアント側については [mariadb-client] グループで default-character-set に対して値を設定します。
[mariadbd] character-set-server=文字コード [mariadb-client] default-character-set=文字コード
現在 my.ini ファイルではこの 2 つの設定項目について次のように記述されています。
[mariadbd] character-set-server=utf8 [mariadb-client]
character-set-server に対しては utf8 が設定されています。 default-character-set については何も記述がされていません。
それではサーバ側とクライアント側の文字コードに設定方法についてそれぞれ詳しく見ていきます。
クライアント側に関する文字コード
クライアント側に関する文字コードの設定は、コマンドプロンプトなどクライアント側で使用している文字コードを設定しておきます。
MariaDB サーバ側ではクライアントから送信されてきた SQL 文などをクライアント側で使用していると設定されている文字コードを使って変換します。正しい情報が設定されていれば、クライアント側とサーバ側で使用している文字コードが異なっていても問題ありません。
現在の設定を確認するには、コマンドプロンプトから MariaDB コマンドラインツールを起動したあと次のようにコマンドを実行してください。
show variables like "chara%";
この中でクライアント側に関係する項目は次の 3 つです。
character_set_client
クライアントからSQL文などが送信される時に使用される文字コード
character_set_connection
クライアント側から受け取った文字を変換する文字コード
character_set_results
クライアントへ結果を送信する時に使用される文字コード
現在はすべて cp932 が設定されています。 cp932 というのは Shift_JIS を拡張した文字コードで Windows で使用されている文字コードです。
character_set_client cp932 character_set_connection cp932 character_set_results cp932
コマンドプロンプトで使用される文字コードではデフォルトで cp932 ですので、この設定のままで問題ありません。
文字コードを変更する場合
もし、コマンドプロンプトで使用する文字コードを UTF-8 などに変更した場合には my.ini ファイルの [mysql] グループで default-character-set に文字コードを設定します。
※ コマンドプロンプトで使用する文字コードを変更する手順は「文字コードの設定(CHCP)」を参照されてください。
[mariadbd]
datadir=C:/Program Files/MariaDB 10.6/data
port=3306
innodb_buffer_pool_size=2035M
character-set-server=utf8
[client]
port=3306
plugin-dir=C:/Program Files/MariaDB 10.6/lib/plugin
[mariadb-client]
default-character-set=utf8
設定ファイルを保存し MariaDB サーバを再起動してください。その後で改めて MariaDB コマンドラインツールを起動して文字コードに関する情報を取得してみます。
show variables like "chara%";
設定を変更したことにより、次の 3 つの値が変更されました。
character_set_client utf8mb3 character_set_connection utf8mb3 character_set_results utf8mb3
※ 現在 utf8 は utf8mb3 のエイリアスになっています。
このようにクライアント側で使用する文字コードを変更するには my.ini ファイルの default-character-set に文字コードを設定してください。
サーバ側に関する文字コード
サーバ側に関する文字コードの設定は、データベースを作成した時に使用されるデフォルトの文字コードを設定することです。
現在の設定を確認するには、コマンドプロンプトから MariaDB コマンドラインツールを起動し次のようにコマンドを実行してください。
show variables like "chara%";
この中でサーバ側に関係する項目は次の 2 つです。
character_set_database
デフォルトデータベースで使用される文字コード。USE コマンドでデータベースに接続するたびに変更される
character_set_server
データベース作成時にデフォルトで使用される文字コード
現在はどちらも utf8mb3 が設定されています。
character_set_database utf8mb3 character_set_server utf8mb3
これは my.ini ファイルの [mariadbd] グループで次の設定があるためです。
[mariadbd]
datadir=C:/Program Files/MariaDB 10.6/data
port=3306
innodb_buffer_pool_size=2035M
character-set-server=utf8
※ 現在 utf8 は utf8mb3 のエイリアスになっています。
今後 utf8mb3 ではなく utf8mb4 が使用されるようになっていきますので、設定を次のように変更します。
[mariadbd]
datadir=C:/Program Files/MariaDB 10.6/data
port=3306
innodb_buffer_pool_size=2035M
character-set-server=utf8mb4
設定ファイルを保存し MariaDB サーバを再起動してください。その後で改めて MariaDB コマンドラインツールを起動して文字コードに関する情報を取得してみます。
show variables like "chara%";
設定を変更したことにより、次の 2 つの値が変更されました。
character_set_database utf8mb4 character_set_server utf8mb4
このようにサーバ側で使用する文字コードを変更するには my.ini ファイルの character-set-server に文字コードを設定してください。
今回使用する文字コードに関する設定
今回クライアント側であるコマンドプロンプトは cp932 の文字コードのまま使用するので、 default-character-set は cp932 に設定します。またサーバ側でデータベースを作成する時のデフォルトの文字コードは utf8mb4 を使用するので character-set-server は utf8mb4 に設定します。最終的に my.ini ファイルを次のように設定しました。
[mariadbd] datadir=C:/Program Files/MariaDB 10.6/data port=3306 innodb_buffer_pool_size=2035M character-set-server=utf8mb4 [client] port=3306 plugin-dir=C:/Program Files/MariaDB 10.6/lib/plugin [mariadb-client] default-character-set=cp932
MySQLで設定可能な文字コードの一覧
MariaDB で設定可能な文字コードの一覧は MariaDB コマンドラインツールから次のように実行することで取得できます。
show character set;
Charset | Description | Default collation | Maxlen |
---|---|---|---|
big5 | Big5 Traditional Chinese | big5_chinese_ci | 2 |
dec8 | DEC West European | dec8_swedish_ci | 1 |
cp850 | DOS West European | cp850_general_ci | 1 |
hp8 | HP West European | hp8_english_ci | 1 |
koi8r | KOI8-R Relcom Russian | koi8r_general_ci | 1 |
latin1 | cp1252 West European | latin1_swedish_ci | 1 |
latin2 | ISO 8859-2 Central European | latin2_general_ci | 1 |
swe7 | 7bit Swedish | swe7_swedish_ci | 1 |
ascii | US ASCII | ascii_general_ci | 1 |
ujis | EUC-JP Japanese | ujis_japanese_ci | 3 |
sjis | Shift-JIS Japanese | sjis_japanese_ci | 2 |
hebrew | ISO 8859-8 Hebrew | hebrew_general_ci | 1 |
tis620 | TIS620 Thai | tis620_thai_ci | 1 |
euckr | EUC-KR Korean | euckr_korean_ci | 2 |
koi8u | KOI8-U Ukrainian | koi8u_general_ci | 1 |
gb2312 | GB2312 Simplified Chinese | gb2312_chinese_ci | 2 |
greek | ISO 8859-7 Greek | greek_general_ci | 1 |
cp1250 | Windows Central European | cp1250_general_ci | 1 |
gbk | GBK Simplified Chinese | gbk_chinese_ci | 2 |
latin5 | ISO 8859-9 Turkish | latin5_turkish_ci | 1 |
armscii8 | ARMSCII-8 Armenian | armscii8_general_ci | 1 |
utf8mb3 | UTF-8 Unicode | utf8mb3_general_ci | 3 |
ucs2 | UCS-2 Unicode | ucs2_general_ci | 2 |
cp866 | DOS Russian | cp866_general_ci | 1 |
keybcs2 | DOS Kamenicky Czech-Slovak | keybcs2_general_ci | 1 |
macce | Mac Central European | macce_general_ci | 1 |
macroman | Mac West European | macroman_general_ci | 1 |
cp852 | DOS Central European | cp852_general_ci | 1 |
latin7 | ISO 8859-13 Baltic | latin7_general_ci | 1 |
utf8mb4 | UTF-8 Unicode | utf8mb4_general_ci | 4 |
cp1251 | Windows Cyrillic | cp1251_general_ci | 1 |
utf16 | UTF-16 Unicode | utf16_general_ci | 4 |
utf16le | UTF-16LE Unicode | utf16le_general_ci | 4 |
cp1256 | Windows Arabic | cp1256_general_ci | 1 |
cp1257 | Windows Baltic | cp1257_general_ci | 1 |
utf32 | UTF-32 Unicode | utf32_general_ci | 4 |
binary | Binary pseudo charset | binary | 1 |
geostd8 | GEOSTD8 Georgian | geostd8_general_ci | 1 |
cp932 | SJIS for Windows Japanese | cp932_japanese_ci | 2 |
eucjpms | UJIS for Windows Japanese | eucjpms_japanese_ci | 3 |
文字コードは Charset の列に記載されている値を指定して下さい。
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MariaDB の設定ファイルに対してサーバ側およびクライアント側で文字コードに関する設定を記述する方法について解説しました。
( Written by Tatsuo Ikura )
著者 / TATSUO IKURA
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