テーブル構造をコピーして新しいテーブルを作成する(CREATE TABLE ... LIKE)
PostgreSQL ではテーブルを作成する時に LIKE を指定することで、作成済みのテーブルの構造をコピーした新しいテーブルを作成することができます。コピー元のテーブルで定義されているカラム名やデータ型や一部の制約などをコピーします。ここでは PostgreSQL でテーブル構造をコピーして新しいテーブルを作成する方法について解説します。
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テーブル構造をコピーする
コピー元として指定したテーブルに含まれるカラムの情報などをコピーし新しいテーブルを作成します。書式は次のとおりです。
CREATE TABLE table_name ( column_name data_type [, ... ] LIKE source_table )
構造をコピーするテーブル( source_table )を指定してテーブルを作成します。コピー元で定義されているすべてのカラムの名前とデータ型、そして一部の制約をコピーしたテーブルが作成されます。コピー先にテーブルにはテーブル独自のカラムを追加で定義することもできます。
テーブルを継承する INHERITS 句を指定した場合と似ていますが、テーブルを継承した場合は親テーブルと子テーブルのカラムが連動しており、また親テーブルからデータを取得した時に子テーブルのデータも含めて取得されますが、テービル構造をコピーする LIKE 句の場合はコピー元とコピー先はまったく別のテーブルとなります。( INHERITS 句について詳しくは「テーブルを継承して新しいテーブルを作成する(CREATE TABLE ... INHERITS)」を参照されてください)。
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それでは実際に試してみます。 mydb データベースの myschema スキーマにコピー元となる次のようなテーブルを作成しました。
create table myschema.customer ( name varchar(10), address varchar(10) NOT NULL );
作成したテーブルには次のようなデータを追加しておきました。
insert into myschema.customer values ('Yamada', 'Tokyo'), ('Honda', 'Kyoto'), ('Watanabe', 'Nara'), ('Asada', 'Osaka');
次に先ほど作成した customer テーブルのテーブル構造をコピーして新しいテーブルを作成します。 mydb データベースの myschema スキーマに次のようなテーブルを作成しました。
create table myschema.feecustomer ( billingdate date, like myschema.customer );
psql メタコマンドの \d コマンドを使って作成したテーブルのカラムに関する情報を表示してみます。
\d myschema.feecustomer
feecustomer テーブルでは定義したカラム billingdate カラムに加えて、テーブル定義をコピーした customer テーブルで定義されたカラムがすべて含まれます。コピーされたものはカラム名とデータ型に加えて NOT NULL制約もコピーされています。
なおあくまでテーブル構造だけがコピーされてデータはコピーされません。作成した直後の myschema.feecustomer テーブルに対して SELECT コマンドを実行してみます。
select * from myschema.feecustomer;
データが一つも含まれていないことが確認できました。
制約も含めてコピーする
CREATE TABLE ... LIKE コマンドを使用する場合、すでに試したように NOT NULL 制約はデフォルトでコピーされます。その他の制約についてはオプションで指定することで制約をコピーすることができます。
CREATE TABLE table_name ( column_name data_type [, ... ] LIKE source_table [ like_option ... ] )
オプションに指定できる値は次の通りです。複数指定する場合は続けて記述してください。
INCLUDING DEFAULTS
DEFAULT 制約をコピーします
INCLUDING IDENTITY
カラムへの IDENTITY の指定がコピーされます
カラムに割り当てられるシーケンスはコピー元とコピー先で異なります
INCLUDING CONSTRAINTS
CHECK 制約がコピーされます
INCLUDING INDEXES
PRIMARY KEY 、 UNIQUE 、 EXCLUDE の各制約がコピーされます
INCLUDING COMMENTS
カラム、制約、インデックスに関するコメントがコピーされます
INCLUDING STATISTICS
拡張統計情報がコピーされます
INCLUDING STORAG
カラム定義に関する STORAGE 設定がコピーされます
INCLUDING ALL
全てのオプションを指定したのと同じです
簡単なテストをするために次のようなテーブルを作成しました。
create table sourcetbl ( num1 integer primary key, num2 integer default 5, num3 integer check (num3 != 0) );
続いて先ほど作成したテーブル構造をコピーし新しいテーブルを次のように作成します。今回はインデックスに関する制約( PRIMARY KEY 制約や UNIQUE 制約)、および DEFAULT 制約についてはコピーするように設定しています。
create table destinationtbl ( like sourcetbl including indexes including defaults );
テーブルを作成後、 psql メタコマンドの \d コマンドを使ってテーブルに含まれるカラムの情報を取得してみます。
\d destinationtbl
カラム名やデータ型の他に PRIMARY KEY に関する制約と DEAFULT 制約がコピーされているのが確認できました。今回オプションで指定していない CHECK 制約はコピーされていません。
複数のテーブルのテーブル構造をコピーする
テーブル構造のコピーは複数のテーブルから行うことができます。コピー先のテーブルではコピー元のそれぞれのテーブルで定義されているすべてのカラムを持つことになります。
CREATE TABLE table_name ( column_name data_type [, ... ] LIKE source_table1 [ like_option ... ], LIKE source_table2 [ like_option ... ] )
複数のテーブルから行う場合は、コピー元のテーブルで同じ名前のカラムが存在していた場合はエラーとなりますので注意してください。
簡単なテストを行うために次のようなテーブルを 2 つ作成しました。
create table sourcetbl_a ( num_a integer not null, str_a varchar(10) );
create table sourcetbl_b ( num_b integer, str_b char(8) );
次に 2 つのテーブルの構造をコピーしたテーブルを作成します。
create table childtbl ( like sourcetbl_a, like sourcetbl_b );
テーブルを作成後、 psql メタコマンドの \d コマンドを使ってテーブルに含まれるカラムの情報を取得してみます。
\d childtbl
2 つのテーブルで定義されていたカラムをすべてコピーして新しいテーブルが作成されていることが確認できました。
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テーブル構造をコピーして新しいテーブルを作成する方法について解説しました。
( Written by Tatsuo Ikura )
著者 / TATSUO IKURA
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