rake db:seedを使った初期データの投入
Railsアプリケーションでテーブルやモデルなどの準備が出来たあと、初期データをテーブルに追加する方法を解説します。テストを行なうためのサンプルデータを追加したり、顧客データなどの既に用意されているデータを事前に追加しておく場合などに使います。
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個別データの追加
初期データを追加する方法は直接データベースにアクセスして追加することもできますが、今回はRailsで用意されている仕組みを使います。では「db/seeds.rb」ファイルを見て下さい。
このファイルはRubyを使って記述されたスクリプトファイルです。このファイルの中にデータを追加するためのスクリプトを記述し実行することでデータを追加します。
ではファイルをテキストエディタで開いて下さい。
# This file should contain all the record creation needed to seed the database with its default values. # The data can then be loaded with the rake db:seed (or created alongside the db with db:setup). # # Examples: # # cities = City.create([{ name: 'Chicago' }, { name: 'Copenhagen' }]) # Mayor.create(name: 'Emanuel', city: cities.first)
現在はコメントだけ記載されています。ではスクリプトを記述していきます。
今回データを追加するテーブルに対応したモデルのクラスであるTitleクラスで、クラスで用意されているクラスメソッドであるcreateメソッドを使ってデータを追加していきます。
モデルクラス名.create(:カラム名1 => 値1, :カラム名2 => 値2, ...)
今回は次のように「db/seeds.rb」ファイルに次のように記述しました。
# coding: utf-8 Title.create(:name => '観察日記', :sales_date => '2011-11-14', :price => 1000) Title.create(:name => 'Simple Life', :sales_date => '2012-02-08', :price => 2300) Title.create(:name => 'メガネ入門', :sales_date => '2011-10-25', :price => 800)
※ 日本語を使用する場合はファイルの先頭に「# coding: utf-8」を忘れないようにして下さい。
スクリプトファイルを作成したら、次のコマンドを実行して下さい。
rake db:seed
これで先程記述したスクリプトが実行され、テーブルに初期データが追加されます。では実際に行なってみます。
スクリプトが実行され3つのデータが追加されました。ではMySQLに接続してテーブルのデータを参照してみます。
スクリプトに記述したデータがテーブルに追加されちることが確認できます。
大量のサンプルデータの追加
先程は追加するデータを1つ1つ追加しましたが、テスト用にサンプルデータをとにかく多く追加したい場合もあります。そのような場合、「db/seeds.rb」ファイルはRubyで記述されたスクリプトですので任意のスクリプトを記述してデータを追加することができます。
今回は例として「db/seeds.rb」ファイルを次のように書き換えました。
# coding: utf-8 5.times do |no| Title.create(:name => "タイトル #{no}") end
ダブルクオーテーションで囲まれた文字列の中で #{変数} と記述すると変数の値が文字列の中で展開されます。
では先程と同じく次のコマンドを実行して下さい。
rake db:seed
スクリプトが実行されデータが追加されました。ではMySQLに接続してテーブルのデータを参照してみます。
新しいデータが5つ追加されていることが確認できます。
CSVを読み込んでデータを追加
自動で作成されるデータではなく、顧客一覧のような作成済みのデータや郵便番号一覧などの参照用データなどあらかじめ用意されたデータを読み込みたい場合もあります。例としてCSVで用意されているデータを読み込んでテーブルに追加する場合も試してみます。
RubyでCSVデータを読み込むには次のような記述を行ないます。
require "csv" CSV.foreach('db/sample.csv') do |row| Title.create(:name => row[0], :sales_date => row[1], :price => row[2]) end
上記内容を「db/seeds.rb」ファイルに記述しました。CSVファイルへのパスは、アプリケーションのルートからの相対リンクで記述して下さい。
また読み込むデータとして次のようなファイルを用意します。
火星探検, 2009-12-01, 1100 Map Fun, 2011-02-24, 700
CSVファイルは「db/sample.csv」として保存しました。
では今までと同じく次のコマンドを実行して下さい。
rake db:seed
スクリプトが実行されデータが追加されました。ではMySQLに接続してテーブルのデータを参照してみます。
CSVに記載された2つのデータが読み込まれテーブルに追加されていることが確認できます。
( Written by Tatsuo Ikura )
著者 / TATSUO IKURA
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