カスタムダイアログを表示する
任意の文字列が表示されたボタンを持つダイアログを表示する方法を確認します。JFileChooserクラスで用意されている「showDialog」メソッドを使います
public int showDialog(Component parent, String approveButtonText) throws HeadlessException
カスタムアプルーブボタンとともにカスタムファイルチューザを表示します。た とえば、次のコードは、通常の [Save] または [Open] ボタンではなく [Run Application] ボタンの付いたファイルチューザを表示します。 filechooser.showDialog(parentFrame, "Run Application"); また、次のコードでも同じことができます。 JFileChooser chooser = new JFileChooser(null); chooser.setApproveButtonText("Run Application"); chooser.showDialog(parentFrame, null); parent 引数は、ファイルを開くダイアログが依存するフレーム、およびダイア ログを配置するときに Look & Feel がその位置を考慮する必要があるコンポー ネントを設定します。親が JFrame などの Frame オブジェクトの場合、ダイア ログはフレームに依存し Look & Feel は、たとえばフレームの上の中央という ようにフレームを基準にダイアログを配置します。親がコンポーネントの場合 は、ダイアログはコンポーネントを含むフレームに依存し、たとえばコンポー ネントの上の中央というようにコンポーネントを基準に配置されます。親が null の場合は、ダイアログは不可視状態のウィンドウに依存し、画面の中央の ように Look & Feel 依存の位置に配置されます。 パラメータ: parent - ダイアログの親のコンポーネント。 null も可 approveButtonText - ApproveButton のテキスト 戻り値: ポップダウン時に返されるファイルチューザの状態。 JFileChooser.CANCEL_OPTION JFileChooser.APPROVE_OPTION エラーが発生した場合、またはダイアログが取り消された場合は、 JFileCHooser.ERROR_OPTION 例外: HeadlessException - GraphicsEnvironment.isHeadless() が true を返す場合
1番目の引数にダイアログを表示するための親フレームを指定します。例えばJFrameクラスのオブジェクトを指定して下さい。
2番目の引数にダイアログのボタンに表示される文字列をString型の値で指定します。ここで指定する文字列は2つ表示されるボタンの中で「JFileChooser.APPROVE_OPTION」を返す為のボタンに表示される文字列です。
戻り値としてダイアログでクリックされたボタンの種類を取得できます。取得できる値は次の通りです。
定義値 | 実際の値 | ボタンの種類 |
---|---|---|
JFileChooser.APPROVE_OPTION | 0 | 引数で指定した文字列が表示されたボタンが選択された場合 |
JFileChooser.CANCEL_OPTION | 1 | 「取消し」ボタンが選択された場合 |
JFileCHooser.ERROR_OPTION | -1 | エラー発生時 |
なお、ダイアログの右上に表示される「×」ボタンがクリックされてダイアログが閉じた場合は戻り値として「JFileChooser.CANCEL_OPTION」が返されます。
実際の使い方は次のようになります。
JFileChooser filechooser = new JFileChooser(); int selected = filechooser.showDialog(this, "実行する");
サンプルプログラム
では簡単なサンプルを作成して試してみます。
import javax.swing.*; import java.io.File; import java.awt.BorderLayout; import java.awt.event.*; public class JFileChooserTest4 extends JFrame implements ActionListener{ JLabel label; public static void main(String[] args){ JFileChooserTest4 frame = new JFileChooserTest4(); frame.setDefaultCloseOperation(JFrame.EXIT_ON_CLOSE); frame.setBounds(10, 10, 300, 200); frame.setTitle("タイトル"); frame.setVisible(true); } JFileChooserTest4(){ JButton button = new JButton("file select"); button.addActionListener(this); JPanel buttonPanel = new JPanel(); buttonPanel.add(button); label = new JLabel(); JPanel labelPanel = new JPanel(); labelPanel.add(label); getContentPane().add(labelPanel, BorderLayout.CENTER); getContentPane().add(buttonPanel, BorderLayout.PAGE_END); } public void actionPerformed(ActionEvent e){ JFileChooser filechooser = new JFileChooser(); int selected = filechooser.showDialog(this, "実行する"); if (selected == JFileChooser.APPROVE_OPTION){ File file = filechooser.getSelectedFile(); label.setText(file.getName()); }else if (selected == JFileChooser.CANCEL_OPTION){ label.setText("キャンセルされました"); }else if (selected == JFileChooser.ERROR_OPTION){ label.setText("エラー又は取消しがありました"); } } }
上記をコンパイルした後で実行すると次のように表示されます。
ボタンをクリックすると引数で指定した文字列が表示されたダイアログが表示されます。なおダイアログのタイトルにも同じ文字列が表示されます。
ファイルを選択して「実行する」ボタンをクリックすると、元のフレーム上に配置されたラベルにファイル名が表示されます。
( Written by Tatsuo Ikura )
著者 / TATSUO IKURA
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