ツリーの初期データを配列を使って設定する
ツリーに表示されるデータを設定する方法を確認します。コンストラクタで指定しますが、配列を使う方法、Vectorを使う方法、Hashtableを使う方法があります。
まず配列を使って初期データを指定する方法を確認します。
public JTree(Object[] value)
指定された配列の各要素を、表示されていない新しいルートノードの子として 持つ JTree を返します。デフォルトでは、ツリーは葉ノードを子のない任意の ノードとして定義します。 パラメータ: value - Object の配列
引数にはツリーに表示したいノードを表す配列を指定します。Object型の配列となっていますが、通常はString型の値を配列として作成し指定します。
実際の使い方は次のようになります。
String[] treedata = {"Swing", "Java2D", "Java3D", "JavaMail"}; JTree tree = new JTree(treedata);
サンプルプログラム
では簡単なサンプルを作成して試してみます。
import javax.swing.*; import java.awt.Dimension; import java.awt.BorderLayout; public class JTreeTest4 extends JFrame{ public static void main(String[] args){ JTreeTest4 frame = new JTreeTest4(); frame.setDefaultCloseOperation(JFrame.EXIT_ON_CLOSE); frame.setBounds(10, 10, 300, 200); frame.setTitle("タイトル"); frame.setVisible(true); } JTreeTest4(){ String[] treedata = {"Swing", "Java2D", "Java3D", "JavaMail"}; JTree tree = new JTree(treedata); JScrollPane scrollPane = new JScrollPane(); scrollPane.getViewport().setView(tree); scrollPane.setPreferredSize(new Dimension(180, 120)); JPanel p = new JPanel(); p.add(scrollPane); getContentPane().add(p, BorderLayout.CENTER); } }
上記をコンパイルした後で実行すると次のように表示されます。
このコンストラクタを使って初期データを指定したツリーを作成した場合、ルートノードは表示されません。ルートノードが存在していないわけではなく非表示となっているだけです。
子ノードを持つノードを初期データとして設定する
初期データの指定に配列を使う場合、Object型の配列を指定することになっています。その為、他の配列を配列の要素として指定することも可能です。具体的には次のようになります。
String[] swingdata = {"JLabel", "JButton", "JTextField"}; Object[] treedata = {swingdata, "Java2D", "Java3D", "JavaMail"}; JTree tree = new JTree(treedata);
この場合、ツリーの1番目のノードは3つの子ノードを持つノードとしてツリーに追加されることになります。
では簡単なサンプルを作成して試してみます。
import javax.swing.*; import java.awt.Dimension; import java.awt.BorderLayout; public class JTreeTest5 extends JFrame{ public static void main(String[] args){ JTreeTest5 frame = new JTreeTest5(); frame.setDefaultCloseOperation(JFrame.EXIT_ON_CLOSE); frame.setBounds(10, 10, 300, 200); frame.setTitle("タイトル"); frame.setVisible(true); } JTreeTest5(){ String[] swingdata = {"JButton", "JLabel", "JTextField"}; Object[] treedata = {swingdata, "Java2D", "Java3D", "JavaMail"}; JTree tree = new JTree(treedata); JScrollPane scrollPane = new JScrollPane(); scrollPane.getViewport().setView(tree); scrollPane.setPreferredSize(new Dimension(180, 120)); JPanel p = new JPanel(); p.add(scrollPane); getContentPane().add(p, BorderLayout.CENTER); } }
上記をコンパイルした後で実行すると次のように表示されます。
1番上のノードを展開すると次のように表示されます。
このように初期データの配列に別の配列を格納することで子ノードを持つノードを初期データとして指定することもできます。ただし他の配列を指定した場合に、そのノード自身の表示される文字列を指定することが出来ないため、このような使用方法は通常は行いません。
( Written by Tatsuo Ikura )
著者 / TATSUO IKURA
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